芥川賞 受賞「火花」を読んでみた 漫才師・又吉直樹の才能に驚く

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芸人・又吉直樹といえば、なんとなく、ネクラな雰囲気のタレント、という印象しかなかった。

だが、この小説「火花」を読んで、その才能に驚く。

最初の方こそ、文章にややかたい印象があるが、読むうちに引きこまれていく。

不思議な世界がそこにある。

主人公が師匠と呼ぶ天才漫才師・神谷

主人公とこの神谷とのやりとりを見ていて、

「夢を叶えるゾウ」

ゾウとのやりとりを思い起こす。


ユーモアにみちたやりとりは、水野の文章ほどこなれていないが、逆にそこに、あらけずりな才能を感じる。

神谷は、破天荒で危うい、天性の漫才師だ。

今のお笑い界には、もういなくなった、ハチャメチャで、破滅的な人物。

天性の漫才師である人物。

世間の枠や型にいっさいはまらない、ほんとうの芸人。

又吉が尊敬する、という太宰文学とも通じる、破滅的な魅力を、この小説ははらんでいる。

それでいて、深刻ではない。

だが、小説全体に、静かなかなしさが流れている。

通常の成功とか、おもしろさの感覚から飛びぬけたところに、ほんとうの笑いの世界があるのだろう。

又吉を追いかけた「情熱大陸」も見たが、又吉の笑いも、ほんとうにおもしろい。

今回、芥川賞を受賞した小説「火花」も、読んでいると、何分かに1回、声を上げて笑ってしまう。

独特のリズムと笑いの感覚は、たぶん、又吉の天性のものだろう。

又吉こそ、本当の芸人かもしれない。


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賛否は入り乱れるが、私は、この小説は、芥川賞にふさわしい作品だと思う。

印象的だったのは、

 「徳永君、大阪選抜だったんでしょ?なんでサッカー辞めちゃったの?」

 この人は、いつも僕に笑顔で接してくれるけれど、僕達のことを微塵も面白いなんて思っていないのだろう。この人にとって、僕などはここに存在してもいなくても別に構わないのだ。

どこかでサッカー選手にでもなっていたら、こいちは幸せだっただろうと軽薄に想像する程度の人間でしかないのだ。そして、それはこの人に限ったことではない。

                                                                          《「火花」 81ページ》

という部分。

世間と、主人公とのずれを鋭く表現している。

ありきたりでないラストもいい。

今は、いなくなった、こんな漫才師がどこかにいると思うと、なんとなくうれしくなってくる。


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